「そろそろ親の老人ホームを考えたほうがいいのかな」
そう思って調べ始めても、特養、老健、有料老人ホーム、サ高住など、聞き慣れない名前ばかりで「結局、何が違うの?」「うちの親にはどこが合うの?」と迷ってしまいますよね。
私自身も、認知症がわかった親のことを考える中で、施設には思っていた以上にたくさんの種類があることを知りました。名前だけを見ても違いがわかりにくく、「まず何から調べればいいんだろう」と戸惑った経験があります。
結論からいうと、最初から施設をひとつに決める必要はありません。まずは親の今の状態や希望、予算を整理して、合いそうな施設の種類を絞っていけば大丈夫です。
この記事では、老人ホームや介護施設の主な種類と特徴、選ぶときのポイント、探し始めてから入居までの流れをわかりやすく整理します。
- 老人ホームや介護施設の主な種類と特徴
- 親に合う施設を考えるときのポイント
- 老人ホーム探しは何から始めるか
- 施設を探してから入居するまでの流れ
親の老人ホーム探しは何から始める?
老人ホームを探すときは、いきなり施設を比較するより、まず親の今の状態や希望を整理することから始めます。
確認したいのは、要介護度や認知症の有無、医療ケアの必要性、日常生活でどのくらい介助が必要かといったことです。あわせて、本人がどんな暮らしを希望しているのかも聞いておきましょう。
施設によって入居条件や受けられる支援が違うため、「どこが人気か」より「親にはどんな支援が必要か」を考えることが、施設選びの第一歩です。
老人ホームや介護施設の種類
高齢者向けの施設や住まいには、さまざまな種類があります。すべてを細かく覚える必要はありませんが、それぞれの特徴をざっくり知っておくと、親に合う施設を考えやすくなります。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、常に介護が必要な方が生活する施設です。食事や入浴、排せつなどの日常生活の介護を受けながら暮らします。
新たに入居する場合は、原則として要介護3以上が対象です。比較的費用を抑えやすい一方、地域や施設によっては入居まで待つこともあります。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、病院を退院した後などにリハビリを行い、自宅へ戻ることを目指す施設です。
医療や介護、リハビリを受けながら生活できますが、長期間暮らし続けることを前提とした施設ではありません。
介護医療院
介護医療院は、長期的な医療と介護の両方が必要な方のための施設です。
日常生活の介護を受けながら、必要な医療ケアも継続して受けられるのが特徴です。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、食事や生活支援に加えて、施設のスタッフから介護サービスを受けられる高齢者向けの住まいです。
施設によって設備やサービス、費用、入居条件に違いがあるため、比較しながら選ぶ必要があります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、食事や生活支援などを受けながら暮らす高齢者向けの住まいです。
介護が必要になった場合は、訪問介護などの外部サービスを利用するのが基本です。介護付き有料老人ホームとは、介護サービスの受け方が異なります。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らせるように整えられた住まいです。安否確認や生活相談などのサービスが付いています。
住宅によって受けられるサービスは異なり、介護が必要な場合は外部の事業者と契約して利用するケースもあります。入居前に、必要な介護や医療に対応できるか確認しておきましょう。
グループホーム
グループホームは、認知症のある方が少人数で共同生活を送る住まいです。
家庭に近い環境の中で、食事や掃除などをできる範囲で一緒に行いながら、必要な支援を受けて生活します。
施設の違いを比較
| 種類 | 主な特徴 | 主な対象・目安 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 介護を受けながら長く暮らせる | 原則要介護3以上で、日常的に介護が必要な方 |
| 介護老人保健施設 | リハビリを行い在宅復帰を目指す | 退院後などにリハビリが必要な方 |
| 介護医療院 | 医療と介護を受けながら長期療養できる | 医療ケアを継続して必要とする方 |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設が提供する介護サービスを受けられる | 介護が必要で、生活支援も受けたい方 |
| 住宅型有料老人ホーム | 生活支援を受け、介護は外部サービスを利用 | 比較的自立している方〜介護が必要な方 |
| サ高住 | 安否確認、生活相談付きの高齢者向け住宅 | 見守りのある住まいを希望する方 |
| グループホーム | 認知症の方が少人数で共同生活 | 認知症のある方 |
同じ「老人ホーム」と呼ばれていても、対象になる人や受けられる支援は異なります。施設名だけで決めず、親の状態や必要な支援に合っているかを確認することが大切です。
老人ホームを選ぶポイント
施設の種類がわかったら、次は親に合う条件を整理していきます。特に確認しておきたいのは、次の5つです。
親の心身の状態
まず確認したいのは、現在の要介護度や認知症の有無、医療ケアの必要性です。施設によって入居条件が異なるため、親の状態によって候補がある程度絞られます。
今は入居できても、介護度が上がったときに暮らし続けられるかも確認しておくと安心です。
無理なく払い続けられる費用
老人ホームでは、月額費用だけでなく、入居時の費用や医療費、日用品代などがかかる場合があります。
大切なのは、入居できる金額かどうかではなく、その後も無理なく払い続けられるかです。親の年金や貯蓄も含めて考えていきましょう。
老人ホームにかかる費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
→老人ホームの費用はいくらかかる?月額費用と負担を考えるポイント
家族が通いやすい場所
施設の場所も大切です。親が暮らしてきた地域だけでなく、家族の自宅から通いやすい地域も候補になります。
面会や通院、手続きなどで施設へ行くことを考えると、家族の負担も含めて選ぶことが大切です。
必要な介護や医療を受けられるか
施設によって、介護体制や医療への対応は異なります。
夜間の介護体制、認知症への対応、通院時の支援、看取りへの対応など、親に必要な支援を受けられるか確認しておきましょう。
本人の希望に合っているか
条件や費用だけでなく、そこで暮らす本人の希望も大切です。
「今までの地域を離れたくない」「できるだけ自由に暮らしたい」など、本人が何を大切にしているのかを聞きながら探していきましょう。
施設探しから入居までの流れ
施設探しは、次のような流れで進めていきます。
- 親の状態と希望を整理する
要介護度や認知症の有無、医療ケアの必要性、本人の希望を整理します。 - 予算を確認する
年金や貯蓄を確認し、毎月どのくらいまでなら無理なく支払えるかを考えます。 - 条件に合う施設を探す
親の状態や予算、希望する地域などから候補を探します。 - 資料やホームページで比較する
料金だけでなく、介護体制や医療への対応、居室、食事、生活環境なども確認します。 - 気になる施設を見学する
スタッフや入居者の様子、施設全体の雰囲気も見ておきましょう。 - 本人・家族で相談して決める
条件や見学した印象をもとに話し合い、契約前には料金や退去条件も確認します。
老人ホーム探しの相談先
老人ホーム探しを始めると、「どの施設を選べばいいのかわからない」「親にどう話せばいいんだろう」と迷うこともあります。
そんなときは、家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターや担当のケアマネジャー、市区町村の介護保険窓口、医療機関の相談員などに相談できます。
相談先によって得意なことが違うため、親の状況に合わせて利用しましょう。
施設が決まったら実家のことも考える
親の施設入居が決まると、次に考えたいのが実家のことです。施設へ持っていける荷物には限りがあるため、家に残る家具や家電、思い出の品をどうするか考える必要があります。
家具や家電の処分方法を先に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
→実家の家具・家電どう処分する?
施設探しと実家の片付けは別の問題に見えますが、実際にはつながっています。入居が決まってから慌てないように、できるところから少しずつ整理しておくと安心です。
→実家の片付けは何から始める?確認事項と進める順番
まとめ:親に合う施設を選ぼう
老人ホームや介護施設にはさまざまな種類があり、入居条件や受けられる支援、暮らし方もそれぞれ違います。
まずは、親の心身の状態や希望、予算、必要な介護や医療を整理することから始めましょう。その上で条件に合う施設をいくつか比較し、見学しながら絞っていくと進めやすくなります。
このブログでは、施設ごとの違いや費用、見学するときのポイント、親への話し方など、施設探しで迷いやすいことをひとつずつ整理していきます。

