老人ホームを嫌がる親とどう向き合う?

老人ホームを嫌がる親とどう向き合うか、気持ちに寄り添う娘と母

「老人ホームには入りたくない」「まだ自分でできる」「住み慣れた家で過ごしたい」
親からそう言われると、家族はこの先どうしたらいいのか悩みますよね。

住み慣れた家を離れたくないと思うのは、自然なことです。特に、長い間自分のことは自分でやってきた人ほど、人に頼ったり生活の場所を変えたりすることに抵抗を感じることもあると思います。

我が家では、祖母の老人ホーム入所を一度経験しました。その経験があったからこそ、足腰の弱ってきた母にいきなり施設入所を勧めるのではなく、まずデイサービスや生活支援を利用しながら、人に頼ることや、家以外で過ごすことに少しずつ慣れてもらっています。

今、母はデイサービスを利用しています。最初から積極的だったわけではありませんが、今では通うことが日常の一部になっており、楽しそうにしています。

この記事では、老人ホームを嫌がる親に対して、我が家で実際にやってきたことをもとに、施設入所を考える前にできることをまとめます。

目次

親が老人ホームを嫌がる理由

親が老人ホームを嫌がる理由は、人によってさまざまです。知らない人との共同生活が不安だったり、施設に対してよくないイメージを持っていたりすることもあります。

その中でも大きいのは、「住み慣れた家でこれまでどおり暮らしたい」という気持ちではないでしょうか。長年暮らした家には、自分なりの生活リズムがあります。家族から見ると心配なことが増えていても、本人は「まだここで暮らせる」と信じていることがあります。

だからこそ、最初から施設入所の話を進めるのではなく、今の暮らしを続けながら、少しずつ外の支援を取り入れていく方法もあります。

自宅か施設かの二択にしない

親の足腰が弱ってきたり、一人での生活が心配になったりすると、「そろそろ老人ホームを考えた方がいいのでは」と考え始めます。

でも、自宅で暮らし続けるか、すぐ施設へ入所するかの二択で考える必要はありません。デイサービスや訪問介護、ショートステイなど、自宅での暮らしを続けながら利用できる介護サービスもあります。

自分でできることは自分で続け、難しくなったところだけ人の力を借りる。そんな段階を挟むことで、住み慣れた家での生活を続けながら、少しずつ外の支援に慣れていくことができます。

我が家は小さな支援から

母は、できることはなるべく自分でやりたい人です。車の運転をやめてもらうのも簡単ではなく、時間をかけましたが、運転免許を返納してからは、自分で行動できる範囲が一気に狭くなりました。

子どもたちは離れて暮らしているため、買い物や外出のたびに家族が支えることもできません。そこで、買い物をお願いしたり、病院への送迎を利用したりと、必要になったところから少しずつ人の力を借りるようにしています。

人に頼ることに慣れていない母だからこそ、まずは必要なことから少しずつお願いするようにしました。

デイサービスで少しずつ慣れる

母がデイサービスを利用するようになったのは、足腰が弱り、転倒も心配になってきたことがきっかけです。ケアマネジャーに勧められて通い始めましたが、最初から積極的だったわけではありません。

「まだ大丈夫、自分でできる」と言いましたし、利用するまでは心の抵抗がありました。

それでも、デイサービスなら自宅での暮らしを続けながら、日中だけ家以外の場所で過ごせます。送迎してもらい、スタッフやほかの利用者と関わることで、少しずつ家以外の場所や人にも慣れていきます。

今では母にとってデイサービスへ行くことが日常の一部になっており、楽しそうに通っています。デイサービスの話もよく聞かせてくれます。

祖母の経験を母に生かす

我が家では、母より前に認知症になった祖母の老人ホーム入所を経験しています。家族にとって初めての施設入所だったため、わからないことも多く、生活の場所が変わることの大きさも感じました。

あの経験があったからこそ、母の場合は、必要になってから慌てて施設を探すのではなく、今の暮らしを続けながら少しずつ外の支援に慣れてもらおうと考えました。

一度経験したからこそ、二度目には先回りしてできることがあります。本人に慣れてもらうだけでなく、家族も早めに施設の情報を集めておくことが大切だと感じています。

親が慣れる間に家族は施設探し

親が老人ホームを嫌がっているときは、施設の話自体を出しにくくなります。

でも、老人ホームは必要になったときにすぐ入所できるとは限りません。希望する地域や予算、本人の介護度、必要な介護や医療、空き状況によって、条件に合う施設がすぐに見つからないこともあります。
→特養に入れない?待機期間と今できること

だからこそ、本人にはデイサービスなどを利用しながら少しずつ外の支援に慣れてもらい、その間に家族は施設の情報を集めておくことをおすすめします。

今すぐ入所を決める必要はありません。どんな施設があるのか、費用はどのくらいかかるのかを知っておくだけでも、いざというときに慌てずに済みますし、家族の心の余裕につながります。

老人ホーム探しは相談サービスも活用

老人ホームは、施設によって費用や受けられるサービスが異なります。希望する条件に合う施設を自分で一つずつ探して比較するのは、時間も手間もかかります。

「シニアのあんしん相談室 老人ホーム案内」では、全国6,800以上の高齢者施設から、希望する地域や予算、本人の状態に合った施設を無料で紹介してもらえます。

介護職経験者など、老人ホーム選びに必要な知識を持つスタッフに相談できるので、まだ入所を決めていない段階でも、候補となる施設を知りたいときに心強いです。

必要になってから慌てて探すのではなく、早めに情報を集めて、いくつか選択肢を持っておくと安心です。

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まとめ:急かさず、準備する

親が老人ホームを嫌がっていても、今すぐ結論を出す必要はありません。デイサービスで少しずつ外の支援に慣れてもらいながら、家族は施設の情報を集めておく。我が家では、この順番で進めたことで、母も無理なく外の支援を受け入れられるようになりました。

親の気持ちに合わせて進めながらも、家族側の準備は止めない。
今できることから少しずつ進めておくことが、いざというときの安心につながります。

老人ホームを嫌がる親と向き合うためにできる4つのことをまとめた図解
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この記事を書いた人

父の認知症をきっかけに、親の施設入居や空き家になった実家のことを考えるようになりました。

「親と実家、どうする?」では、実家の片付け、親の施設探し、これからのお金について、自分の経験と調べたことをもとにまとめています。

2024年7月にFP3級を取得。

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