実家の近くを走る「無料回収」のトラックや、ポストに入る不用品回収のチラシ。
「無料なら、頼んでも大丈夫かな?」と思うかもしれません。
ですが、家庭から出る不用品を回収するには、市区町村の許可や委託が必要です。
環境省も、許可を受けていない不用品回収業者を利用しないよう注意を呼びかけています。
実際に、全国の消費生活センターなどには、安い定額パックのつもりで依頼したのに、作業後に高額な料金を請求されたという相談も寄せられています。
特に実家の片付けでは、離れて暮らしている間に、親がトラックを呼び止めたり、チラシを見て電話したりすることもあります。
この記事では、無料回収をめぐって実際に起きているトラブルと、親が一人で契約してしまわないために、今のうちに伝えておきたいことをまとめます。
無料回収トラックは利用して大丈夫?
まず知っておきたいのは、家庭から出る不用品の回収には、市区町村の許可や委託が必要だということです。家庭から出るごみは「一般廃棄物」にあたり、回収するには、実家のある市区町村から一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可を受けている必要があります。
もし「許可を持っています」と言われても、それだけで安心せず、どの種類の許可なのかを確認することが大切です。
環境省によると、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可だけでは、家庭ごみを回収することはできません。
無料回収のトラックやチラシを見かけても、その場ですぐに依頼せず、まずは実家のある自治体のホームページなどで、家庭ごみの処分方法や許可業者を確認しましょう。
実家の片付けを業者に頼むときの費用や選び方は、こちらの記事でまとめています。
→実家の片付けを業者に頼む費用と選び方
実際にこんなトラブルが起きている
「そうは言っても、そんなにひどい業者ばかりではないのでは」と思うかもしれません。数字を見ておきましょう。
全国の消費生活センターなどに寄せられた不用品回収サービスに関する相談件数は、2018年度の1,354件から2021年度には2,231件となり、3年間で約1.6倍に増えています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2018年度 | 1,354件 |
| 2019年度 | 1,457件 |
| 2020年度 | 1,788件 |
| 2021年度 | 2,231件 |
安さをうたう広告をきっかけに、実際には次のようなトラブルが起きています。
- 広告の料金と請求額が全く違う
「軽トラック7,000円、2トントラック25,000円」という広告を見て依頼したところ、作業が終わったあとで25万円を請求された。 - 「詰め放題」の条件が違っていた
トラック詰め放題のプランで申し込んだものの、当日になって積める量に制限があると言われ、断るとキャンセル料を請求された。 - トラック1台分なのに2台分を請求された
軽トラック1台に収まる量だったにもかかわらず、2台分の料金を請求された。
3つに共通しているのは、事前に聞いていた内容とは異なる料金や条件が、当日や作業後になって示されていることです。
既に業者が自宅に来ていたり、家財の積み込みが進んでいたりすると、その場で断るのは簡単ではありません。
無許可回収のリスク
無許可の不用品回収業者には、高額請求以外のリスクもあります。
環境省は、無許可の不用品回収業者を利用することで、不法投棄や不適正な処理につながるおそれがあると注意を呼びかけています。
不法投棄につながることがある
回収された家電や粗大ごみが、適切に処分されず、不法投棄されるおそれがあります。「持って行ってもらえたから終わり」ではなく、その後どのように処分されるのかも大切です。
有害物質が出るおそれがある
家電を適切な設備のない場所で壊すと、フロンガスや鉛などの有害物質が放出されるおそれがあります。
火災につながることもある
回収した家電には、電池やプラスチックなどが含まれています。不適切な方法で保管・処理すると、発火や火災につながる危険もあります。
家電4品目は要注意
特に注意したいのが、家電リサイクル法の対象になっている4品目です。これらは、決められた方法でリサイクルする必要があります。
- テレビ
- エアコン
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
実家に古い家電が残っている場合も、無料回収のトラックにそのまま渡さず、自治体や家電販売店など、正しい処分方法を確認しましょう。
親が一人で契約しないために
実家の片付けでは、自分が業者を調べている間に、親が先に動いてしまうことがあります。
近所を回ってきたトラックを呼び止めたり、ポストに入っていたチラシを見て電話したりすることもあるでしょう。悪気はなくても、「少しでも片付けておこう」と思ってのことかもしれません。
だからこそ、業者を探し始める前に、一言伝えておくことが大切です。
まずは一言伝えておく
難しい説明は必要ありません。「回ってくるトラックやチラシの業者には、先に頼まないでね。いったん私に相談してね」と伝えるだけでも、その場で契約してしまうのを防ぎやすくなります。
理由を聞かれたら、「あとから高い料金を請求されたという相談もあるみたい」と伝えるくらいで十分です。
立ち会えないときは事前に確認する
遠方に住んでいて作業当日に立ち会えない場合は、作業前に料金を書面で確認しておきましょう。総額だけでなく、追加料金が発生する条件や、キャンセル料についても確認しておくと安心です。親には、「聞いていた金額と違ったら、その場で返事や支払いをせずに電話してね」と伝えておきましょう。
国民生活センターも、見積もりと異なる高額な請求を受けた場合は、その場での支払いを断るよう呼びかけています。
もしトラブルになってしまったら
気をつけていても、トラブルになってしまうことはあります。
そんなときは、やり取りが分かるものをできるだけ残しておきましょう。見積書や契約書、領収書のほか、メールやメッセージでのやり取りも保管しておきます。作業前後の部屋や家財の様子を写真に撮っておくと、あとで確認するときに役立ちます。
そして、困ったときは消費者ホットライン「188(いやや)」に相談できます。188に電話すると、最寄りの消費生活センターなどにつながります。もう既に支払ってしまった場合でも、諦めずに相談してみましょう。
安心して頼みたいときは
実家の片付けで不用品を処分するときは、まず実家のある自治体の粗大ごみや家庭ごみの出し方を確認しましょう。自分たちだけで運び出すのが難しく、業者に依頼する場合は、事前に業者を調べて複数社から見積もりを取る方法があります。
1社だけでは、その金額が高いのか安いのか判断しにくいですが、複数社を比べると相場が見えやすくなります。また、料金だけでなく、説明が分かりやすいか、追加料金について事前に説明があるかなども確認できます。
ただし、依頼する前には、家庭ごみの回収に必要な許可や、実家のある自治体のルールも確認しておきましょう。複数社へ一度に見積もりを依頼できるサービスを使えば、1社ずつ連絡する手間を減らせます。
「ぽいみつ」は、不用品回収や遺品整理、空き家の片付けなどを、最大5社からまとめて見積もりできる無料のサービスです。その場で決めずに複数の見積もりを見比べられるので、急かされて契約してしまう前に落ち着いて考える時間が持てます。
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まとめ:無料回収はその場で頼まず確認
無料回収のトラックやチラシを見かけても、その場ですぐに依頼するのは避けましょう。
家庭から出る不用品の回収には、市区町村の許可や委託が必要です。安さをうたう広告をきっかけに、あとから高額な料金を請求されるなどのトラブルも起きています。
実家の場合は、親が先に契約してしまわないよう、「回ってくるトラックやチラシの業者には、いったん相談してね」と伝えておくことが大切です。
業者に依頼するときは、料金だけで決めず、許可や自治体のルールを確認したうえで、複数社を比較しましょう。困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。




